「最強の統率者は誰か?」あるいは「真のEDHの幕開け」(中編)

(これは中編です。前編を読んでない方はこちらからどうぞ)

 

 さて、続いて紹介するジェネラルは――と、その前に一つだけ。

 

 前編の内容について、読者の方からあるご指摘がありました。というのも、「最弱ジェネラル」と評した《Ramosian Commander / レイモス教の団長》に、「ループ・ジャンクション」と呼ばれる無限コンボが搭載ができるとのこと。

 

 えっ、マジで!?

 

 さすがに無限コンボをスルーするわけにはいかないので、ここで改めて取り上げることにします。

 

 まずは「ループ・ジャンクション」の紹介からいきましょう。

 

 この無限コンボを構成する鍵となるのはこのレベル。

《特別工作班/Task Force》

f:id:tarumo_tarumono:20200207022913p:plain

クリーチャー — 人間(Human) レベル(Rebel)

特別工作班が呪文や能力の対象になるたび、それはターン終了時まで+0/+3の修整を受ける。

1/3

 さらに、以下の二枚。

《コーの遊牧民/Nomads en-Kor》

f:id:tarumo_tarumono:20200207023207p:plain

クリーチャー — コー(Kor) ノーマッド(Nomad) 兵士(Soldier)

(0):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。このターン、コーの遊牧民に与えられる次のダメージ1点は、代わりにそれに与えられる。

1/1

コーのシャーマン/Shaman en-Kor》

f:id:tarumo_tarumono:20200207023247p:plain

クリーチャー — コー(Kor) クレリック(Cleric) シャーマン(Shaman)

(0):あなたがコントロールするクリーチャー1体を対象とする。このターン、コーのシャーマンに与えられる次のダメージ1点は、代わりにそれに与えられる。
(1)(白):クリーチャー1体を対象とする。このターン、あなたが選んだ発生源が次にそれに与えるダメージは、代わりにコーのシャーマンに与えられる。

1/2

  コンボの手順はいたって簡単で、まずは対象に取られるたびにタフネスが上がる《特別工作班》を、0マナでクリーチャーを対象に取れる《コーの遊牧民》or《コーのシャーマン》で無限に対象に取ります。

 そうしてタフネスが無限に上がった《特別工作員》を、《Worthy Cause / 価値ある理由》《Animal Boneyard / 獣の墓場》《Diamond Valley》等、「生贄に捧げたクリーチャーのタフネス分ライフを得る」カードで無限ライフに変換するだけ。

 無限ライフを得れば、その時点で無限(or統率者)ダメージかライブラリー切れ以外の負けはなくなります。

 あとは、コントローラーのライフ分のパワー等を持つ《セラのアバター/Serra Avatar》《Evra, Halcyon Witness / ハルシオンの目撃者、エヴラ》等で殴ったり、ライフが一定以上だと勝利できる《Test of Endurance / 忍耐の試練》《Felidar Sovereign / フェリダーの君主》で終わり。

 

 このコンボ、各パーツが単体では非常に弱く、勝ち手段まで含めると3枚必要ですが、見た目に反してかなり強そうです。

 というのも、鍵となる《特別工作班》はレベルなのでジェネラルでライブラリーからサーチして場に出せますし、《コーの遊牧民》《コーのシャーマン》は、マナコスト1を手札に持ってこれる《Ranger of Eos / イーオスのレインジャー》《Ranger-Captain of Eos / イーオスのレインジャー長》や、タフネス2以下の生物を手札に持ってこれる《Recruiter of the Guard / 護衛募集員》でサーチできます。

 また、コンボパーツである《Animal Boneyard / 獣の墓場》《Test of Endurance / 忍耐の試練》はエンチャントなので、《Enlightened Tutor / 悟りの教示者》《Idyllic Tutor / 牧歌的な教示者》《Plea for Guidance / 導きの嘆願》《Academy Rector / アカデミーの学長》でサーチ可能。

 というふうに、「各パーツの種類が豊富」かつ「サーチカードの数も多い」とくれば、コンボパーツを揃えるのは比較的容易なはず。これが「かなり強そう」と判断する理由です。

※パーツの片割れに《Outrider en-Kor / コーの先導》がいるのを忘れていました。ダメージ移し変え能力を持つレベル。つまり実質ジェネラルだけでパーツ二枚揃います。さすがに強い!

 

f:id:tarumo_tarumono:20200130151823p:plain

ネタキャラ枠と思わせて後から評価が爆上がりする男。「真のEDH」界の梶原修人)

 

 さて、「ループ・ジャンクション」コンボを搭載するのですから、デッキ全体もそれにあわせるべきでしょう。

 レベルは《特別工作班》と、除去られた彼を回収できる《果敢な勇士リン・シヴィー/Lin Sivvi, Defiant Hero》だけで十分。

 勝ち手段がライフ絡みなので、ライフゲインを軸にするのが一番かと思われます。

 

 となればまず候補に挙がるのが、「ソウルシスターズ」で使われるカードでしょう。

 クリーチャーが場に出る度にライフゲインできる《Soul Warden / 魂の管理人》《魂の従者/Soul's Attendant 》等や、自身も魂絆を持ち、ライフによってサイズアップする《Serra Ascendant / セラの高位僧》、ライフゲインのたびにサイズアップする《Ajani's Pridemate / アジャニの群れ仲間》辺りです。

 

 当然、各種アジャニも採用です。奥義でライフ数分の2/2トークンを出せる《Ajani, Caller of the Pride / 群れの統率者アジャニ》、

小マイナスでマナコスト2までの生物をリアニメイトできる《Ajani, Adversary of Tyrants / 暴君への敵対者、アジャニ》、小マイナスで《アジャニの群れ仲間》を生み、ライフさえ多ければプラスマイナス0で対戦相手の全生物と全アーティファクトを追放できる《Ajani, Strength of the Pride / 群れの力、アジャニ》はデッキと相性抜群です。

 

 また、コンボパーツを除去から守るカードもほしいところ。《Mother of Runes / ルーンの母》《Giver of Runes / ルーンの与え手》《Devoted Caretaker / 献身的な世話人》《Reverent Mantra / 恭しきマントラ》等のプロテクション付与は基本として、全体除去からリカバーできる《Second Sunrise / 第二の日の出》《Faith's Reward / 信仰の見返り》(一ターン限定の《Rally the Ancestors / 先祖の結集》)等が有効そうです。

 

 そして忘れてはならないのが、テーロス魂還記で新たに誕生し、パイオニアでも活躍中の、《Heliod, Sun-Crowned / 太陽冠のヘリオッド》《Walking Ballista / 歩行バリスタ》(Triskelion / トリスケリオン)の無限ダメージコンボ。

 このコンボ、お手軽2枚コンボなので、基本カジュアル環境である「真のEDH」では雑に搭載するのはためらわれますが、ライフゲインデッキとあれば話は別。

Walking Ballista / 歩行バリスタ》は《Ranger of Eos / イーオスのレインジャー》《Ranger-Captain of Eos / イーオスのレインジャー長》《Recruiter of the Guard / 護衛募集員》、《Heliod, Sun-Crowned / 太陽冠のヘリオッド》は《Enlightened Tutor / 悟りの教示者》《Idyllic Tutor / 牧歌的な教示者》《Plea for Guidance / 導きの嘆願》《Academy Rector / アカデミーの学長》でサーチできる点も見逃せません。

 

《歩行バリスタ》《トリスケリオン》は「接死&絆魂」付与の《Basilisk Collar / バジリスクの首輪》と相性がよく、そこに《Archangel of Thune / テューンの大天使》が加われば《太陽冠のヘリオッド》がいなくても無限ダメージが成立します。

 

f:id:tarumo_tarumono:20200207033554p:plain
f:id:tarumo_tarumono:20200207033603p:plain

(発売前から話題になった2枚コンボ。他にヤバい輩がいるので、ひとまず禁止はなさそう)

 

 と、二種類の無限コンボを搭載したこのデッキですが、実はとんでもない問題点があります。というのも、あまりに強すぎる可能性があるのです。

 上でも書いたとおり、この記事では基本的にカジュアルEDHのつもりでデッキを組んでいます。10段階のパワーレベルでいうと、せいぜい4~6。よってジェネラルと無関係な無限コンボは、あえて採用していません。

 今回はジェネラル絡みの無限コンボが搭載でき、さらにそれがライフゲイン関係だったことで、ヘリオッド&バリスタのお手軽2枚コンボが自然に採用できてしまいました。そしてコンボパーツのサーチ手段も多い。これでは毎回あっさり無限コンボが決まってしまう可能性があります

 これはカジュアルEDHとしては、由々しき事態です(あくまで個人の意見です)。

 よって、もし仮に「真のEDH」を楽しみたい場合、《太陽冠のヘリオッド》はともかく、《歩行バリスタ》(《トリスケリオン》)は抜いた方がいいかもしれません(まあやろうとする人がいたらの話ですが……)。

 

 今回の件からわかるように、私はそれほどEDH(古いカード)について詳しい人間ではありません。また、各統率者について、適したカードやコンボを徹底的に調べて書くのは、時間的にも分量的にさすがに厳しい(なにせ13体いますからね……)。

 というわけで、この記事を読んで「このジェネラルには○○というコンボ(カード)が入る」というような情報がありましたら、ツイッター等でどんどんご指摘いただければ幸いです。

 

  さて、それでは気を取り直して最強候補の紹介を続けていきます。

 

 エントリーNo.7《Zhalfirin Commander / ザルファーの指揮官》

f:id:tarumo_tarumono:20200129200042p:plain

クリーチャー — 人間(Human) 騎士(Knight)

側面攻撃(側面攻撃を持たないクリーチャーがこのクリーチャーをブロックするたび、ターン終了時まで、ブロックしているクリーチャーは-1/-1の修整を受ける。)
(1)(白)(白):騎士(Knight)クリーチャー1体を対象とする。ターン終了時まで、それは+1/+1の修整を受ける。

2/2

 

 7番目の統率者は、これまた白単統率者となる彼。

 ミラージュ初出で、再録も時のらせんだけですので、最近のプレイヤーはまず見たことないでしょう。

 というか、側面攻撃すら知らないはず。いやあ、懐かしいですねえ、側面攻撃

 側面攻撃はミラージュ固有のキーワード能力で、ミラージュの騎士は(確か)全員持っていました。

 戦闘時にマイナス修正を与えるのは、すばやく相手の横に回りこむイメージでしょう。真横から攻撃することで本領を発揮させないわけですね。

 キーワード能力としてはシンプルかつ強力なので、再登場してもいいと思うのですが、マロー曰く「側面攻撃を持つクリーチャー同士では誘発しない」点がわかりづらいのがネックらしく、今に至るまで(統率者セット以外では)再登場していません。

 ちなみに、このマイナス修正は対象を取らないため、なんと、かの《True-Name Nemesis / 真の名の宿敵》にブロックされた際は一方的に討ち取ることができます! まあそんな局面、レガシーを10000マッチやって1回あるかないかだと思いますが。

f:id:tarumo_tarumono:20200208054605p:plain

(典型的なカードデザインの失敗例。こいつをデザインした人は「多人数戦で強い」と思っていたそうです。《正気泥棒》に正気を奪われていたのでしょうか?

 

 ジェネラルとしての評価はというと……正直、どうしようもないですね。一応、騎士シナジーはありますが、ロード能力ではなく単体強化ですし、本体も小粒で殴りジェネラルにも向きません。

 組むとすれば騎士デッキですが、騎士デッキなら後から紹介する《Wintermoor Commander / 冬荒野の指揮官》の方が白黒二色のためはっきり強い。

 なので、せいぜい天使等の白系ファンデッキくらいしか組みようがなさそうです。残念。

f:id:tarumo_tarumono:20200209094152j:plain

(統率者2016で久々に帰ってきた側面攻撃持ち。イラストはめちゃくちゃかっこいい)

 

エントリーNo.8《Rushblade Commander / 急襲刃の司令官》

f:id:tarumo_tarumono:20200129153118p:plain

クリーチャー — アズラ(Azra) 戦士(Warrior)

あなたのチームがコントロールしている戦士(Warrior)は速攻を持つ。

2/2

 

 8番目の最強候補で、ようやく二色ジェネラルの登場です。

 初出は多人数戦セットのバトルボンド。「チーム」という見慣れない単語は、多人数戦セットならではでしょう。バトルボンドのリミテッドをやっていた人なら、彼女(フレーバーテキストの口調からすると女性)を覚えているかもしれません。

 

 さて、その彼女の種族タイプですが、なんとアズラ

 ご存知ですか、アズラ。

 私は知りませんでした。というわけで、MTGwikiをコピペします。

 

 ケイレム/Kylemに暮らす人型の知的種族。肌は紫色で、頭部に生えた二対の角が特徴。彼らの遠い祖先は悪魔である。頭部の角がこのことを物語っているが、危機を感じると、彼らの顔は真に悪魔的な形状へと変化する。

 富、味わい、策略がアズラの主要な関心事である。彼らは場内と場外、両方の「競技」を求めて武勇の場/Valor's Reachに殺到する――他人の財布を軽くするのは、試合を観戦するのと同じくらい楽しいことなのだ。アズラは金色に輝くものを愛し、富を見せびらかすことを恐れない。そのため大抵のアズラは商人となるが、手っ取り早い稼ぎを求めてならず者暗殺者、傭兵になる者もいる

 

「ザ・赤黒」という感じの種族ですね。アズラは全部で七対しかいないので、能力からしても戦士デッキにするのが自然かと思われます。殴りジェネラルに向かないので、これまた横並べからの全体強化、それも赤黒というカラーを生かして前のめりなデッキにするのがよさそうです。

 

 まずは戦士のコストを減らす《Brighthearth Banneret / ブライトハースの旗騎士》。

 ロード能力持ちでは、+2/+2修正の《Lovisa Coldeyes / 冷眼のロヴィサ》や自身が攻撃時に+1/+1修正の《Blaring Captain / 吹鳴する隊長》、+1/+0(反転すると+3/+0)修正の《Instigator Gang / 扇動する集団》などが第一に考えられます。

 喊声持ちの《Goblin Wardriver / ゴブリンの戦煽り》《Hero of Oxid Ridge / オキシド峠の英雄》《Kuldotha Ringleader / カルドーサの首謀者》も入れておきたいところ。また、《Torbran, Thane of Red Fell / 朱地洞の族長、トーブラン》や、反転すると赤の発生元がプレイヤーに与えるダメージに1点追加する《Akki Lavarunner / 悪忌の溶岩走り》も採用するべきでしょう(色々戦士以外が混じっていますが)。

 横並べ手段としては、お馴染みの《Goblin Rabblemaster / ゴブリンの熟練扇動者》《Legion Warboss / 軍勢の戦親分》《Krenko, Tin Street Kingpin / ブリキ通りの重鎮、クレンコ》辺り。

 芸達者系では、全体に威迫を与える《Blood-Chin Rager / 血顎の憤怒鬼》に始まり、相手の生物死亡時に2/2トークンが出る《Kalitas, Traitor of Ghet / ゲトの裏切り者、カリタス》、相手がアタック時に3マナ払わないと3/3トークンを出す《Kazuul, Tyrant of the Cliffs / 崖の暴君、カズール》、督励で追加コンバットの《Combat Celebrant / 戦闘の祝賀者》、ブロッククリーチャー数分のダメージを与える《Carnage Gladiator / 殺戮の剣闘士》、攻撃時に他の攻撃クリーチャーのコピートークンを生む《Flamerush Rider / 炎駆の乗り手》、そのターン中に死亡した自軍生物を全リアニメイトする《Garna, the Bloodflame / 血の炎、ガルナ》、自軍生物が死亡するたび対戦相手に生贄を要求する《Butcher of Malakir / マラキールの解体者》等、よりどりみどりです。

 

 置物系は、全体のパワーを上げる《Goblin Oriflamme / ゴブリンの軍旗》《War Horn / 戦の角笛》《Ferocity of the Wilds / 僻境の暴虐》《Orcish Oriflamme / オークの軍旗》《Street Riot / 街頭暴動》辺りが基本。

 中でもオススメは、戦士がダメージを与えるたび1ドローできる《Raiders' Spoils / 略奪者の戦利品》と、暴勇時のみ自分が与えるダメージが二倍になる《Anthem of Rakdos / ラクドスの頌歌》で、それぞれアドバンテージ面とダメージ面での働きが期待できます。

 装備品としては《Embercleave / エンバレスの宝剣》がデッキのイメージに合っていますし、強そうです。

 

 最後に、戦士を語る上で絶対に外せないのが《Barktooth Warbeard》です。彼はレジェンド初出の伝説のクリーチャーで、いわばマジック界最古の戦士の一人

 敬意を表して画像で紹介しましょう。

f:id:tarumo_tarumono:20200209064531j:plain

 テキスト欄に何か色々書いてありますね。私は英語が苦手なのでよくわかりませんが、なにしろ7マナで伝説ですから、さぞやすごい能力なのだと思います。

 ちなみに、レジェンドの伝説のクリーチャーは思わぬ高値がついていたりしますが、彼は晴れる屋で150円でした。リーズナブルなお値段なので是非ともデッキに入れたいところです。なんといっても箔がつきますから。

 

 強さとしては、それなりといったところでしょうか。二色なのでカードの選択肢が多く、デッキに合った無限コンボも探せばある気がします。

 ひとまず戦士デッキにしましたが、アズラの祖先が悪魔なので、デーモンデッキにするのも楽しいでしょう。最近では《Vilis, Broker of Blood / 血の取引者、ヴィリス》《Kothophed, Soul Hoarder / 魂の貯蔵者、コソフェッド》《Razaketh, the Foulblooded / 穢れた血、ラザケシュ》等、強力な悪魔が多いですし。

 彼等を含むデーモンを《Rakdos, Lord of Riots / 暴動の長、ラクドス》で早く召喚したり(そう、まさに「召喚」です!)、《Rakdos, the Showstopper / 名演撃、ラクドス》で相手の場にだけ甚大な被害を与えるのも強そう。というか、そっちの方が絶対面白いですね。ここまで書いてから気づきました(さすがに今から書き直すのは大変なので書き直しませんが)。

 

f:id:tarumo_tarumono:20200209083231p:plain

(簡潔かつ最高のフレーバーテキスト。カジュアルEDHの精神を体現しています)

 

エントリーNo.9《司令官イーシャ/Commander Eesha》

f:id:tarumo_tarumono:20200129152750p:plain

伝説のクリーチャー — 鳥(Bird) 兵士(Soldier)

飛行、プロテクション(クリーチャー)

2/4

 

 再び伝説のクリーチャーの登場です。

 彼女(女性です)の特徴は、なんといってもRebecca Guayによるイラストの素晴らしさでしょう! Rebecca Guayのイラストはおっさん世代の人気がきわめて高いらしく、全カードのfoilを無限回収しているプレイヤーもいるくらいです(「なんでもいいけどよォ」「これはEDHの記事だぜ」)。

f:id:tarumo_tarumono:20200209092224j:plain

Rebecca Guayによる《チャネル》の新規イラスト。イラストの繊細さ、儚さでは、マジック界で彼女に勝るイラストレーターはいません)

 

 クリーチャーとしての能力はシンプルそのもの。「プロテクション(クリーチャー)」は、「ブロックされない」と同義です。となれば、パワーこそ低いものの、殴りジェネラルでいくべきでしょう。

 

 採用する装備品は、基本的に《司令官グレヴェン・イル=ヴェク》と同じ。

 装備品以外では、二段攻撃を与える《Battle Mastery / 熟達した戦い》《Silverblade Paladin / 銀刃の聖騎士》《Ajani, Caller of the Pride / 群れの統率者アジャニ》等がよさそうです。

 ジェネラルが場に残ってなんぼなので、プロテクション付与のMother of Runes / ルーンの母》《Giver of Runes / ルーンの与え手》《Devoted Caretaker / 献身的な世話人Reverent Mantra / 恭しきマントラ》や、除去の身代わりになってくれる《Hyena Umbra / ハイエナの陰影》《Felidar Umbra / フェリダーの陰影》《Mammoth Umbra / マンモスの陰》は必須。特に最後の二枚はそれぞれ魂絆と警戒を与えるので、ダメージレースを有利に進めることができます。

※対象を取るプロテクション付与生物は、イーシャ自身の「プロテクション(クリーチャー)」に引っかかって対象に取れませんでした。代わりに《Gods Willing / 神々の思し召し》《Faith's Shield / 信仰の盾》《Brave the Elements / 精霊への挑戦》といった、プロテクション付与スペルを入れるのが正解です)

 

 ある程度盤面で優位になったら《Armageddon / ハルマゲドン》《Ravages of War / 戦の惨害》《Cataclysm / 大変動》《Catastrophe / カタストロフィ》で土地を破壊して、反撃の芽を潰してしまいましょう。

《カタストロフィ》は全体除去モードも選べるので、不利な盤面になった際の仕切りなおしとしても使えます。相手の展開力が高い可能性を見越して、他にも全体除去を何枚か積むのもアリでしょう。

 

 デッキとしては殴りジェネラルらしく「強化して殴る」のみ。これといった特色はなく、強さも並(か、それ以下)ですが、イラストの圧倒的な美麗さの前には強さなど些細なこと。

 おっさん世代なら一度は使ってみたいジェネラルです。

 

 というわけで、中編はここまで。

 前編を書いた時点では前後編のつもりでしたが、一人分丸々書き直したせいで分量が増え、またも予定外の分割となりました。分割しても9000字越え。さすがに疲れますね……。

 

 前編の告知ツイートをRTしてくださった方、ありがとうございました。ファボや感想も励みになります。

 後編もなるべく早く書くつもりですので、引き続きRTと感想のほど、よろしくお願いいたします。